「monopsony」労働力は安く買い叩かれている。賃金上昇で景気回復 産業の空洞化は生産性の向上で乗り切る


「monopsony」労働力は安く買い叩かれている。賃金上昇で景気回復 産業の空洞化は生産性の向上で乗り切る

(ライターFT)

1.景気回復と景気の現状 

1-1.GDP(国内総生産)

GDPは、国の経済規模を測るものさしで、GDPの増加率を経済成長率といいます。2017年10~12月の実質GDP(改定値)は、物価変動を除いた実質で前期比0.4増、年率換算で1.6%増でした。このプラス成長は8四半期連続です。

1-2.日銀短観

日銀短観(日本銀行の全国企業短期経済観測)は、国内景気の現状を掴むために日銀が四半期ごとに実施している経済調査のことで、対象企業数が1万社超と多く、速報性も高いので、信頼性が高い指標です。2018年3月の日銀短観では、企業の景況感を示す「業況判断指数(DI)」は、大企業製造業でプラス24と、前回2017年12月調査から2ポイント悪化しました。

しかしながら、前回調査までは5四半期連続で改善が続いていました。大企業非製造業でもプラス23と、前回調査よりは2ポイント悪化しましたが、悪化は6四半期ぶりです。日銀短観で見ても、景気は中期的には改善傾向が続いているといえます。

1-3.完全失業率・有効求人倍率

完全失業率や有効求人倍率など、雇用関連指標は絶好調といえます。2018年2月の完全失業率は2.5%と非常に低くなっており、これはバブル期に迫る水準です。また、2018年2月の有効求人倍率は1.58倍と、こちらも極めて高くなっています。就業者数(勤めている人の数)は6,578万人と前月比151万人増で、5年2カ月連続で増加しています。

このように、雇用自体は「完全雇用」に近い状態といえます。「人手不足」のニュースを聞いたことがある人も多いでしょう。特に「建設」、「介護」、「外食」、「運輸」などの産業では、深刻ともいえるほどの人手不足になっています。つまり今の日本は、「業種の希望がなければ、どこでも働ける」状態なのです。

1-4.内部留保

景気回復が続いているにもかかわらず、企業の内部留保は積み上がっています。内部留保とはひとことでいえば「企業のたくわえ」です。財務省の法人企業統計(2017年10月~12月)によると、企業の現金・預金は約196兆円にまで膨れ上がっています。

リーマン・ショック時に発生した金融機関による「貸し渋り」の恐怖を、企業は未だに忘れていません。そのため、多くの企業には「いざという時に頼れるのは自分だけ」という考えが少なからずあり、「現預金を使わず、ためておく」という保守的な行動が取られがちです。その結果、内部留保はほぼ一貫して増加傾向が続いています。

🌟景気回復しても賃金が上がらない理由




 産業の空洞化は止まらないはずだった。

 しかし海外で生産しているものを国内生産できればどうだろう。

 今まで10人でモノを作っていたのを3人で高品質なモノを作れるようになれば、海外で作る必要はない。

 賃金が上がらない大きな理由として、企業の売り上げが伸びていないということが考えられます。突出し、売り上げが伸びている企業もありますが、多くの企業は売り上げが伸びていない。だから賃金が上がらないのは納得できます。

 企業が、利益のうちどのくらい人件費に回すかという労働分配率というものがあります。

 自分が経営者だったら自分の給料がどれだけあれば満足できるかという問題です。経営者は労働者の賃金を多く設定することはしません。一人の従業員が100万円の利益を出せば多くて3割も出せば十分と考えます。5割の人件費を出すなんてことはあり得ないのです。

 人件費は人を雇用するとずっと付き纏います。

 音楽配信のサブスクリプションに似ていますね。



 どれだけその人の能力が高かろうが、値上がりするサブスクリプションと同じで、決まった固定経費、つまり給料は一定です。

 モノが売れないからモノの価格を下げないと売れない。利益は一定となれば給料なんて上がる訳無いですね。

 ここで考えるのが「生産性の向上」です。

 「生産性の向上」とは作業効率だけではありません。

 10人でかかっていた仕事を3人で、しかも短時間で仕上げることができればどうでしょう。

生産性向上と業務効率化の違い 

 生産性向上と、業務効率化は似て非なるものです。

 業務効率化は業務改善のための取り組み、成果ではなく改善内容を指します。生産性向上は限られたリソースの中での成果を出すことです。

 すなわち、これらは手段と結果の関係にあり、「業務効率化」は「生産性向上」の為に実施されるものなのです。
🌟生産性向上が失敗する理由とは? 成功させるためのポイントや指標設計、取り組みの具体例や成功例


 すでに人手不足時代に突入しています。

 10人でやっていた仕事も、一人減り二人へり、新しい人材が増えればいいのですが、中々うまくいかないのが現状でしょう。

 都会ならあまり人材確保の問題は感じることはないかもしれないですが、地方に行くと切実な問題になります。

 定年退職や通常の退職で減った人材を補うのは、現状言えば新たな人材を雇用するしかありません。しかし新たな人材が以前と同じ利益を出せるまでには約3ヶ月間かかります。それ以上の利益が出せるかどうは未知数で、もしかしたらもっと利益が減るかも知れません。

 働き方改革で人材不足はもっと深刻になっていくでしょう。

 そこでITの活用や機械の活用で、一人が10人分の仕事を短時間でこなせるようになるとするとどうでしょう?

 人材不足に対応できますね。

 会社で働いている従業員の給料を上げても経営者は充分な給料を支払うことができますね。

 「monopsony」の状態では、働き手はいくらでもいるので、給料が安くても人は集まりますね。

 「monopsony」は市場原理が働いています。

 需要と供給のバランスで考えると、働き手が多ければ人気の職種には多くの人材が集まります。その中で優秀な人材が企業側では安い賃金で確保できるという訳です。

 では、人気のない職種が人材を確保する為にはどうすれば良いのか、需要と供給バランスを考えれば賃金を上げるしか無いのです。しかしそうすると経営者の利益が減りますので、「生産性の向上」を考えなければなりません。

 生産性には、労働者の視点から見た『労働生産性』と資本の視点から見た『資本生産性』があります。

 このバランスを欠いた会社は淘汰されていくでしょう。

 企業は生産性を数値で導き出すことが可能です。

 労働生産性には『物的生産性』と『付加価値生産性』の2種類があり、物的生産性は、数字として計測できるものを産出の対象とした生産性で、

 「生産量÷労働量(労働者数×労働時間)」という計算式で表されます。

 付加価値生産性とは、企業が新たに生み出した付加価値を対象とした生産性です。1本100円の原材料費・外注費用で作った商品を200円で売った場合、差額の100円が付加価値です。

 この付加価値の割合を示す値が付加価値生産性であり、

 「 付加価値金額÷労働量(労働者数×労働時間)」

 という式で求めることができます。

 日本は生産性が低いと言われています。

 その分、仕事のクオリティが高いと評価される部分もありますが、これからの日本の課題として、生産性を上げ、クオリティは今まで以上のビジネスを考えないとならないでしょう。

 いうのは簡単ですが、これが実現したら我々の賃金も上がることは間違い無いでしょう。
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