脳梗塞になっちまった!4

北大、脳梗塞の再生医療で治験開始 骨髄から細胞移植



(ライターFT)

脳梗塞になっちまった!4


 入院3日目

 ようやく起きあがってもいいという主治医のお許しが出た。

 もう尿瓶でオシッコをしなくて済む。一番最初にしたことはトイレでオシッコをした。



 個室での排尿なので誰に遠慮することもない。快適この上ない。

 今の所、左半身の痺れも無く、このまま血液をサラサラにする点滴で、前回同様、特に後遺症も無く退院までヒマな入院生活を送るのだろう。早めに病院に行って良かった。そう思っていた。

 入院も3日目になるとヒマでヒマで仕方ない。本でも持って来ればよかったと思いながら仕方がないのでテレビや携帯を見て過ごしていた。それにしてもヒマ過ぎる。病室でじっとしてたら良かったのだけど、とにかくへヴィースモーカーの私はタバコが吸いたくて吸いたくて仕方なかった。胸ポケットにKENTのアイスイッチ1mgは半分残っていたはず。



 兎に角吸いたい衝動を押さえながら、動き回る訳にもいかず、イライラしていた。

 夕方頃に、友人が見舞いに来てくれた。たわいもない話をし、19:30頃に友人は帰っていった。点滴をぶら下げる器具を押しながら、エレベーターまで見送って行った。暇なのでそのままエレベーターで友人と一緒に下に降りて行き、病院を出た所にあるコンビニにコーヒーでも買いに行こうと思いサイフをポケットに入れた。薄手のジャンバーの胸ポケットにはKENTのアイスイッチの箱が入ったままだ。もちろんライターと携帯灰皿もポケットに入っている。

 吸ってはいけない、俺は脳梗塞の一歩手前なんだ、絶対に吸ってはいけない。血液をサラサラにする点滴をしている最中なのだ。タバコなんてもっての他だ。心の中で強くそう思った。コンビニで挽きたてのコーヒーを買い、飲むのだ。それだけの為に友人を送り、ついでにコーヒーを買うのだ。



 コンビニでコーヒーを購入し、コンビニの外に出た。コーヒーをゆっくりと啜りながら無意識に、本当に無意識にポケットにあるKENTアイスイッチを取り出し、ライターで火を付けていた。一服、煙を肺に深く吸い込み煙を口から出した。

 その時にようやくタバコを吸う自分に気がついた。

 「アカンアカン、タバコ吸うたらアカン」

 心の中でそう思った瞬間、頭がクラクラした。まるで中学2年生の時、初めてタバコを吸った時の感覚に近い。目眩まで起こった。

 たった3日タバコを吸わなかっただけで、これほどのダメージを受けるのか!

 驚きを隠せないまま、2服目の煙を吸い込んだ。まだ軽く目眩はあるが、少しは回復している。流石に今度は倒れそうになる程の強烈な目眩が襲って来た。右手からタバコは落ち、点滴スタンドにしがみ付き、しゃがみこみ倒れないようにしているのがやっとだ。1分、いや2分くらいそのままの状態が続いたように思う。兎に角病棟に戻らないとと言うくらい激しい目眩に襲われている。おまけに気分も悪い。

 ようやく少し目眩も収まりかけた時、左半身に違和感を感じた。

 痺れが左半身に駆け巡った。
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