邦画の異色作を考える。

日活ロマンポルノは「映画」です。今こそ見るべき究極の16選



(ライターFT)

邦画の異色作を考える。


 邦画で異色作といえば、一番に思い出すのが日活ロマンポルノです。とにかく予算が決められていて、ある程度の収益を上げる為にお色気をメインに出し、監督も若手の実績のあまりない監督がいつか夢を叶える為に創意工夫し、最大限の能力を発揮する映画ともいえる。



 上記画像は「赤線玉の井 ぬけられます」という日活ロマンポルノの名作のワンシーンなのですが、この画像を見ただけで何ともいえない昭和のエロチシズムをかきたれられるのは私だけではないはずです。

 ストーリー

シマ子は玉の井の特飲店「小福」で働いている売春婦である。彼女は、どういうわけか刺青をしている男に弱くて、自分も太モモに、花札の桜の刺青をしている。そして現在は、やくざの志波と馴染みを重ねている。新春を迎えて、いよいよ四月一日から売春防止法が発令されることになった。公子は正月早々下町のアパートに住む松田と結婚するために辞めた。昨年の正月に繁子が一日に二十六人の客をとったと聞いた直子は、十三人を済ませたばかりだが、繁子の記録を破ろうと大張り切りである。帳場の親父の話では酔っぱらい相手には“また火鉢”で温めるのがいい、と聞かされた女たちは、早速、大火鉢に股がって肝心のところを温めて、客を相手にした。すると効果は抜群で男は次々と終ってしまう。一方、シマ子は、バクチ場から志波の使いが来て金を届けるように伝えられたので、客の了解を得て金を届ける。その帰り路、後を尾けて来た若い男に挑まれるが、勝気な彼女はハネつける。その頃、新婚旅行から帰って来た公子が「小福」に現われた。公子は、松田では欲求が満されない、洗って帰れば判らない、といいながら客と一緒に部屋へ上ったので、女将はあきれ顔である。一方、直子は他人のことなどかまっていられない。さっと済ませては次の客……といった具合に大奮戦。酔客と女たちの肉の取り引きが売防法の発令を前に、火花を散らす勢いで続けられていった。…
映画.comより抜粋

 1974年の名作ですが、キャストがまた凄いんです。

 主人公は宮下順子。



 今や2時間ドラマでは名バイプレイヤーとして不動の地位を気付いた女優さんで、演技力は抜群です。もちろん日活ロマンポルノの代表的な女優さんだったそうです。当時の彼女はかなり妖艶な雰囲気。「赤線玉の井 ぬけられます」ではもちろん主人公。



 そしてあの蟹江敬三も日活の常連俳優さんだったんです。彼は日活ロマンポルノでは強姦の美学と呼ばれる程のレイプ映画では高い評価を得ていました。

 晩年は名刑事役や情に熱い父親を演じさせたら右に出る俳優はいなかったのではないでしょうか。しかし日活時代は完全に悪役で最悪のレイプマン、その最低最悪の中にも独特の美学を導きだす蟹江敬三の演技スタイルは当時の人達を震撼させたのではないでしょうか。

 テレビドラマでもこうした実績をかわれ、「Gメン’ 75」では「ドラマ史上屈指の悪役として連続強姦殺人、望月源治という強烈なサイコパスを演じて魅せてくれました。



 レイプした後に手斧で頭をかち割るというIS並みの非道っぷりです(笑

名脇役の蟹江敬三さん急逝 屈指の凶悪犯、「強姦の美学」…迫真の演技が“伝説”に

 「赤線玉の井 ぬけられます」は売春婦達のお正月、稼ぎ時の様子をコミカルに描いています。その中に見え隠れする悲哀が名作といえる所以です。

 監督は鬼才、神代辰巳監督(くましろたつみ)、1995年にお亡くなりになりましたがロマンポルノのエースと呼ばれた名監督さんです。ショーケンこと萩原健一や桃井かおりも神代辰巳監督の大ファンらしく、ショーケンは自分の代表作となった「もどり川」という映画の監督に神代辰巳監督へのオファーした程。

 奥が深いですね、邦画って。
 
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