蒸し暑い夜のしらべ 2015

「ヤダなー、こわいなー」稲川淳二のしゃべる怪談スタンプが登場したんですよ

 さて、そろそろ私の体験談をお話ししたいと思います。
 
(ライターFT)

蒸し暑い夜のしらべ 2015


 今年の冬のお話です。

 あの千日前の某家電量販店前で友人と待ち合わせしていた時でした。

 待ち時間よりずっと早くに着いたので、大手家電量販店でブラブラしていたんです。



 でもこの場所は過去にも何度か怖い体験をしていますので、液晶の大型TVの価格を調べ、そそくさと待ち合わせ場所に移動したんです。

 本当はその場所にいるのがダメなのを何となく感じていたんだと思います。

 友人との待ち合わせ場所は大手量販店横のサウナビル前、まだ時間があったので1階のエレベーター前で寒さから逃れるために避難していました。友人が来るまでにまだ15分ほど、メールで少し遅れると連絡がありましたので、25分から30分はまだ待たないといけない、何となく嫌だなぁ~なんて感じてました。

 平日の夕方だったのですがすでに冬場、18:00の待ち合わせでも外は真っ暗。

 寒さもありエレベーターホール前でダウンジャケットのポケットに手を突っ込み、エレベーターホール横にあるインフォメーションを眺めていたんです。

 すると後ろから

 「液晶TV欲しかったん」

 女性の声でした。

 顔には見覚えがなく、年齢は30代半ばくらいの地味な雰囲気だけどソコソコの美人の女性。

 あまりに唐突な言葉に私はどう答えていいか分からず、その女性をポケーっと見つめてしまいました。

 なんでオレが液晶TVが欲しいのを知っている?

 そう思った瞬間、背中に悪寒が走ったんです。

 ここは千日前、私が最も来たくない、待ち合わせなんかはしたくない場所。何で千日前で待ち合わせしてしまったんだろう?

 悪寒は止まらず、こみ上げてくる吐き気と寒さが全身を覆う感覚に教われた瞬間、体が動かない。完全に金縛り状態、ダウンジャケットのポケットに手を突っ込み、立ったままの状態で目の前にいる女性の目を見た。

 「電話待ってたんやで、ずっと待ってたんやで」

 ぼそぼそっと女性は呟いた。

 意味不明、目の前にいる女性の言葉に、何の反応も出来ないまま女性の表情がみるみる憎悪に変わって行く。

 明らかに私に向けられた憎悪の目。

 体が硬直したまま、動けないままその場に立ち尽くし声も出せない、その場からすぐに立ち去りたい不安と恐怖の感情が押し寄せている。

 目の前の不思議な女性が絶叫とも言える大きな声で私に叫ぶ。

 「なんでやぁぁぁ~~~~~~~あ」

 私の横、数センチ前まで近寄り絶叫した。

 人の髪の毛が焼けた匂いがした。

 意識が薄れそうになったとき、肩をポンと叩かれた。

 待ち合わせ場所に遅れてきた友人だった。

 不思議な女性の呪縛から解かれたように体が動いた。



 サウナビル1階のエレベーターホールにいたせいもあったのか、2月という寒い季節にも関わらず汗が吹き出ていた私を見た友人は「体調悪いんか?」そう言った。

 不思議な女性は目の前にはいない。

 友人は訝しげな目をしながら

 「体調悪いんやったらまた今度にしよか?」

 私は友人に

 「いや、大丈夫、久しぶりやから取りあえず行こう。」

 そう答えた。

 友人とは待ち合わせの場所をメールでやり取りしていた。

 堺に住んでいる友人は、南海電車一本で来れるなんばを選んだ。それは理解出来る。しかし何故、大手量販店前で待ち合わせを選んだのだろう。私はそこを待ち合わせ場所ではなく、市バスで行くのでバス乗り場近くの◯I◯Iにしようと言ったのに、大手量販店前にと場所を指定してきたのだ。

 この場を選んだ理由が知りたい。

 何故、私がこんな気色悪い思いをしないといけない?

 とにかく友人に理由を聴こうと思った。



 明日はこの続きになります。
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